2018年09月16日

2018年理論問16

皆さんこんにちは。電験3種傾向と対策研究会です。

去る9月2日に今年の電験三種試験が実施されました。
問題と解答が電気技術者試験センターから公表されました。


理論のB問題問16ではNPNトランジスタのエミッタフォロワ回路が出題されました。
今まではNPNトランジスタのエミッタ接地回路A級増幅回路しか出題されていません。

エミッタフォロワ回路は電験2種1次試験で出題されたことがあります。
いわゆる「天下り問題」です。

それも選択ではなく必須問題での出題です。
これは「反則」と言いたい。電験三種のレベルではないでしょう。

そうは言っても解けなければ得点はできません。合格できません。
なんとか解説を試みてみます。

エミッタフォロワ回路はコレクタ接地回路とも言います。
これは、交流で考えた場合、電源ラインが接地されているからです。
電源ラインとアースの間に必ずコンデンサが入ります。
コンデンサは交流におけるインピーダンスが小さいので交流的に短絡と考えます。

コレクタ接地回路の特徴は入力インピーダンスが大きいことです。
ベースからトランジスタを見込んだ入力抵抗値はおおよそRE×Hfeになります。

ベース電流Ib、コレクタ電流Ic、エミッタ電流Ieとします。
エミッタの電圧をVe、抵抗をREとします。

トランジスタは電流増幅器なので次の式が成り立ちます。
Ic=Ib×Hfe 壱

キルヒホッフの法則(電流則)より
Ie=Ic+Ib 弐

オームの法則より
Ve=Ie×RE 参

壱を弐に代入します。
Ie=(Ib×Hfe)+Ib
 =Ib(1+Hfe)

これを参に代入します。
Ve=Ib(1+Hfe)×RE

従って、ベースからトランジスタを見込んだ入力抵抗Ve/Ibは
Ve/Ib=(1+Hfe)×RE

一般的に小信号トランジスタのHfeの値は200〜300ぐらいです。
(この問題では100です)
100も101もほとんど変わらないので、「ベースからトランジスタを見込んだ入力抵抗値
はおおよそRE×Hfe」になります。

電源ラインとアースラインは交流的には同一です。
従ってトランジスタのバイアス抵抗R1、R2とHfe×REは並列に並びます。

一般的に、RE×HfeはR1とR2に比べて十分に大きい値です。
(10倍以上の比があるときは「十分に大きい」と言います。)
そこで、入力抵抗は無限大と考えて開放(オープン)と考えます。

それゆえ、ベース電圧は電源電圧をR1とR2で分割できます。
ベース電圧=電源電圧×(R2/(R1+R2))
この問題では10V×(82kΩ/(18kΩ+82kΩ))=8.2V

ベースーエミッタ間の電圧は0.7Vですから、エミッタ電位は
(エミッタ電位とはエミッターアース間の電圧)

Ve=8.2-0,7=7.5V
題意より1mAを流すわけですから

7.5V÷1mA=7.5kΩ

ベースからトランジスタを見込んだ抵抗値を無限大と考えると、
ベースラインの交流的な入力抵抗はR1とR2の並列抵抗になります。
R1×R2/(R1+R2)
18k×82K/(18k+82k)=14、76k

一番近い値の15kΩが答えです。

実際の回路では電源ラインは9V 、12V、15V、18V、24Vの事が多い。
1.5Vの電池や自動車のバッテリー電圧12Vで動作することを考慮します。

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posted by 電験3種傾向と対策研究会 at 11:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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